北海道はご存じの通り広大な面積を誇る土地です。道央、道北、道南、道東などへの観光客も多く、道外から北海道の各地に行き来するための空港は13カ所もあります。その中でも、最大の利用客数を誇る新千歳空港は、道庁所在地の札幌まで1時間、道央の観光の拠点として便利な立地です。しかし、2018年9月6日未明に起きた北海道胆振東部地震後は、北海道全体の観光客が激減しました。この地震でまったく被害のなかった多くの観光地でも風評被害で宿泊予約客のキャンセルが相次ぎ、観光産業は大打撃を受けてしまいます。
そこで、政府は2018年10月4日〜2019年2月28日までの旅行を対象として、観光産業の復興を図るため「北海道ふっこう割」を実施するにいたりました。観光客は1泊につき最大2万円の割引となるため、通常よりもとてもお得に北海道旅行ができます。新千歳空港の所在地は、北海道千歳市美々987−22ですが、敷地の一部は苫小牧市にまたがっています。千歳市は、道庁所在地の札幌市とは一部隣接していて、札幌市中心部へは車で約1時間です。
新千歳空港は、北海道における空の玄関口といわれるほど北海道内のみならず、日本国内の有数の旅客数と航空機発着回数を誇ります。9月6日の地震では建物に被害を受け、天井の落下や壁の破損等100カ所以上の被害が出ましたが、9月10日には運航は平常に戻りました。館内施設も復旧を急ぎ、11月1日には遅れていた新千歳空港温泉とエアターミナルホテルが営業を再開し、全ての商業施設が完全復旧を遂げました。
「北海道ふっこう割」は、2019年2月28日の終了期間前でも、旅行各社の割引対象枠がなくなれば、その時点で終了してしまいます。飛行機やバスなどの運賃と、宿泊費を含む旅行が最大35000円割引になるのですから、北海道旅行を計画している人は、ぜひ早めに行ったほうが良さそうです。新千歳空港の国内航空路線のネットワーク状況は、羽田、成田、関西、中部、福岡、那覇など国内の計22カ所からの直行便が運航されています。他は、函館空港が5カ所から、他の空港はせいぜい1~2カ所の羽田を含む路線の運航しかありません。LCCなどの格安航空会社の参入などもあり、遠い土地へ訪れればそれだけ割安感があることから、新千歳空港への国内線利用客が増加傾向にありました。
観光客以外にも札幌に最寄りの空港であるため、ビジネス利用も多い傾向です。一時期は手荷物カウンターに100mの行列が並ぶこともありました。新千歳空港へ訪れるのは、飛行機を利用する人だけではありません。映画館や温泉などの商業施設に人気が集まり、道内に住む人たちもたびたび訪れているのです。駐車場も3時間まで無料サービスとなっているため、ショッピングやグルメ、映画鑑賞などの大型商業施設としての役割も大きいことがうかがえます。ターミナルビルのショッピングワールドでは、総合土産店、水産農畜産品店、免税店などがあり、北海道ならではの各種のお土産が入手可能です。他にも、スイーツ店、雑貨、衣料品、書店、ドラッグストアなどの有名店がそろっています。
また、北海道ならではの大自然の食材を味わえるグルメゾーンでは、飛行機の離発着を見ながら飲食できるレストランやカフェ、バーなどが豊富にあります。さらに、エンターテインメント施設としては、ゆったりくつろげる座席シートが自慢の「ソラシネマちとせ」があり、空き時間で映画を堪能できると人気です。また、子どもたちに人気の「ドラえもんわくわくスカイパーク」「ハローキティハッピーフライト」などもあります。
ターミナルビル4階には、23時間営業で、大浴場、露天風呂、憩い処やリラックスルームでのんびりとくつろげる「新千歳空港温泉」があります。入館料と浴衣、タオルセット、館内利用料、入湯税などが込みで1500円のお得な料金で旅の疲れを癒やすことができるのです。さまざまな年代が楽しめる施設となっているため、観光客だけでなく地元に住む人たちが定期的に訪れたくなるのも納得でしょう。
出張などビジネス利用で訪れる人にも便利なインターネットやビジネスサービスの施設も充実しています。数カ所に設置されているコイン式インターネットコーナーでは10分100円(税込み)でパソコンやタブレットが使用できます。無線LANサービスがあるためインターネット接続料は無料です。また、携帯電話やパソコンなどの無料充電フリースペース、コピー機、FAX、モバイルWi-Fiレンタルなどもあり、空き時間を利用して作業することもでき便利でしょう。
新千歳空港から北海道の主要エリアへのアクセスは、札幌までは約1時間~1時間30分、苫小牧までは40分程度です。小樽までなら約140分、帯広へは2時間30分ほどかかります。函館へは高速道路利用で約4時間弱、富良野なら高速道路利用で2時間15分程度です。