那覇空港は、沖縄県那覇市にある空港です。那覇市の西南西約6キロの海岸部に位置し、東南アジアを中心とした地域の南玄関として役割を果たしています。1931年に、旧日本海軍により飛行場の建設が計画され、国際線の定期便が就航するようになったのは1954年のことです。この頃には東京~那覇の間を飛行機が飛ぶようになり、翌年には先島定期航空路線が開設され、那覇~宮古~石垣間も飛行できるようになりました。
そして、1993年には、新ターミナル地域の空港施設変更が告示となり、1999年には現在の国内線新旅客ターミナルビルが供用されています。このほかにも、那覇空港は滑走路の延長工事が行われたり、老朽化対策が進められたりして、今後もさらなる空港の利便性が向上される予定です。いまでは沖縄県内離島のハブ空港としての役割、そして、本土や近隣諸国とを結ぶゲートウェイ空港として大きな存在になっています。
那覇空港を利用する乗客者数は、年々増えています。国内を代表する観光スポットでもある沖縄は、日々多くの観光客を迎え入れているからです。2006年の時点では、およそ1500万人の乗客者数であり、その当時の予測では2020年度に最大で1850万人に増えるといわれていました。しかし、2016年度にはすでに過去最高の2003万人以上の乗客者数となり、予想をはるかに上回るペースで、那覇空港の利用者が増えています。大きな理由としては、2012年にLCCターミナル施設が開設されたことや、2014年に新国際線ターミナルビルがオープンしたことがあります。これにより、国際線の乗降客数が飛躍的に増え、那覇空港は世界的にも知名度が上がっています。
予想を上回る利用者の増加により、那覇空港は国内線ビルと国際線ビルを結ぶ「連結ターミナル」を早めに着工することにしました。当初のオープン予定は2020年の3月でしたが、2019年1月に前倒しが決まっています。これにより、チェックインカウンターのブースもかなり増えることになり、那覇空港はより利便性の高い空港として生まれ変わる予定です。
そして、那覇空港には、沖縄ならではの特徴があります。まず、沖縄は自衛隊の基地が多いことから、民間機と自衛隊機が共用して滑走路を使っているのです。その様子は展望デッキから見ることが可能であり、爆音を響かせて飛んでいく空軍機の様子はとても人気があります。那覇空港では、ターミナル3Fの両サイドから航空自衛隊の戦闘機を見ることが可能です。
また、国内の空港なのに、唯一日本人が免税で購入できる「Tギャラリア沖縄」という免税店があるのも特徴です。通常、日本人が国内で買い物をするには、定められた税金を払わなくてはなりません。100円の買い物をすれば、108円といった消費税がかかります。しかし、那覇空港にある「Tギャラリア沖縄」でお土産を買うと、日本人でも税金は免除されます。これは沖縄県が地域復興に力を入れているためであり、日本人であっても関税を免除することができるのです。
そして、那覇空港には「空港食堂」という、とてもリーズナブルで美味しい食堂があります。ここは基本的に空港で働く人が利用する食堂ですが、社員食堂というものではなく、一般の人も利用することが可能です。基本的に定食や丼ぶりが多く、値段は650円以下となっています。沖縄を代表するような料理も多数用意されており、沖縄そば、ソーキそば、ゴーヤチャンプルーなどが、非常にリーズナブルなうえ、お腹いっぱい食べることができます。那覇空港には他にも多くの飲食店がありますが、地元の味をリーズナブルに楽しみたいなら、空港食堂が良いでしょう。
また、那覇空港は各観光スポットへの利便性も高いです。レンタカーを借りて多くの観光地を回れるのはもちろん、空港から直結されている「ゆいレール」を使えば、いくつかの観光地を楽しむことができます。ゆいレールで巡れる有名な観光地は「ウミカジテラス」「国際通り」「やちむん通り」「首里城」などがあります。ウミカジテラスは、沖縄の美しい海を見ながらリゾート感の味わえるショッピングスポットです。国際通りは沖縄最大の観光ストリートであり、やちむん通りは沖縄ならではの焼き物を中心としたお土産街です。首里城は琉球王国を彷彿とさせる建物であり、世界遺産でもあることから、沖縄の定番スポットになっています。
那覇空港は、タクシーやレンタカーを使えば、さらにたくさんの観光地を巡ることも可能です。「アメリカンビレッジ」は東京ドームおよそ5個分の広大な面積を誇る商業施設であり、那覇空港から車でおよそ50分です。そして、世界的にも有名な巨大ジンベエザメがいる「美ら海水族館」は、那覇空港から車でおよそ2時間、定番ダイビングスポットとして外せない「青の洞窟」は、車でおよそ1時間です。那覇空港からは車さえあれば、沖縄の定番スポットを効率よく回ることができるでしょう。